美容サロン経営コラム

美容サロン経営コラムVol.21 仕事と子育て、どう両立させる?



登場人物

まどかコーチ

元ネイリストの経営コンサルタント。神出鬼没だが、MON PREFERENCEの経営サポートを担っている。カナさんの紹介で、Bonheur(ボヌール)もサポートすることに。
橋本さん

カナさんが働くヘアサロンBonheur(ボヌール)のオーナー社長。3店舗を経営しており、トップスタイリストとして接客もこなす。
カナさん

橋本さんが経営するヘアサロンBonheur(ボヌール)に併設されているネイルブースで働くネイリスト。あおいちゃんのネイルスクール同期。

「仕事はすきだし、出産後も育児を優先しつつ無理のないペースで働きたい」。そんな木村さんが思い描いているような従業員ニーズが、先行き不透明な今の時代、徐々に高まっているんです。

それは、そうだよね。でも、美容師って拘束時間も長いし、ハードな仕事じゃない? 赤ちゃん育てながら働いてもらうなんて、土台無理な話だと諦めていたよ。

以前私自身がネイルサロンのマネージャーだった時、多店舗展開していく中で、女性スタッフの結婚・育児に伴う退職問題という壁にぶち当たり慢性的な人手不足に陥っていました。毎月必ず採用試験をやって継続的に採用はしていたものの、一定数はどうしても離職していく。中でも、店長クラスの人材の退職は大きな痛手です。そこで考えたのが、テンポラリー制度というものです。

テンポラリー制度? 聞いたことがないです。

貴重な戦力となるスタッフに限り、家事・育児などのプライベートを優先させつつ、パートタイマーとして週に1〜3日程度働いてもらうという制度よ。例えば、パートナーの仕事が休みの週末の都合のいい時だけ働くなんてこともできる。もちろんその間は、家事・育児はパートナーやご家族が負担することになるから、周囲の協力は不可欠よ。でも、実際にこの制度を導入したサロンさんからは、喜びの声をたくさんいただいているんですよ。

マーベラス! いいね、それ。早速弊社でもその制度の導入を検討してみよう。まどかくん、運用上気をつけなくてはいけないことはあるかい?

はい、3つあります。1つは、長く続けてもらうためにも、思いきって高い時給を設定すること。ここはケチるところではないです。大半が扶養の範囲内で働くことになりますし、法人の場合の社会保険負担からも解放されますからね。2つめは、シフトを組む際に、無理強いをしないこと。あくまでプライベート最優先で働いてもらうことが目的だからです。その代わり、この制度を適用するスタッフは、他のスタッフも納得できるぐらいの戦力であることが大前提となります。3つめは、制度を導入するにあたっては、従業員に制度の目的や仕組みを説明する機会をつくって、合意形成することです。でないと、他の従業員が不満を抱く要因になりかねないからです。

よし、わかった! 次の全体ミーティングまでに制度の内容を固めて、説明できるようにしよう。まどかくん、協力頼むよ!

さすが、橋本さん! 行動が素早いですね。もちろん、お任せください。

社長、ネイリストの方もぜひテンポラリー制度を導入してください。わたしもいつか結婚して赤ちゃんが生まれても、Bonheur(ボヌール)で働きたいですから。

カナちゃん、ありがとう! 感動の涙で、前が見えないよ。

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