美容サロン経営コラム

美容サロン経営コラムVol.40 サロン経営のやってはいけないー独立願望編



登場人物

まどかコーチ

元ネイリストの経営コンサルタント。講演やセミナーで全国を飛び回っており、神出鬼没。MON PREFERENCE(モンペレフェレ)とBonheur(ボヌール)の経営サポートを担っている。
橋本さん

ヘアサロンBonheur(ボヌール)のオーナー社長。3店舗を経営しており、トップスタイリストとして接客もこなす。かなりの変わり者だが、スタッフもお客さまもだいすきすぎて異常なぐらいもてなすので、意外と人望は厚い。
直斗くん

ヘア&ネイルサロンBonheur(ボヌール)の新人アシスタント。元気で礼儀正しく、体育会系。不器用なところもあるが、頑張り屋さん。

直斗くんっ! 僕を見捨てて独立しようなんて、ひどい話じゃないかっ!! もう立ち直れないよ(シクシク)

そんな、見捨てるなんて大げさですよ、社長! ただ僕も「いつか自分のお店を持てたらなぁ」って夢を思い描いているだけなんで。

そうよね。美容師は独立志向の人が多い業界だし、自分のサロンをいつか開きたいって思うわよね。実際に、独立サポートをサロンの福利厚生として導入しているサロンもあるぐらいよ。ただし、これからのサロン業界はますます経営環境が厳しくなっていくという現実を理解したうえで決断することが必要ね。

え? そうなんですか? Bonheur(ボヌール)はまた新しいお店ができるし、予約もたくさん入っているじゃないですか。

それは、橋本さんの社長としての経営判断が的確であることと、何よりもスタッフみんなの頑張りの賜物よ。今や、多くのサロンが既存顧客の維持だけで精一杯という状況よ。

本当にその通りだよ。僕の昔からの友人で店持ってる仲間と飲むと、「今後のことを考えると頭が痛い」って口を揃えて言ってるよ。

サロン業界は参入障壁が低い(開業しやすい)がゆえ、零細化が進みすぎたわよね。少子高齢化でどんどん顧客数も減っていくわけだから、まさにお客さまの奪い合いが生じる。さらには、美容学校卒業生などの若手人材も減少する中、働き手の確保も難しく深刻な状況には歯止めがかからないわね。わたしも以前は「創業支援」といって、美容師さんの独立支援も積極的に行ってきたけど、たくさんの厳しい状況にあるサロンを見ていて、安易に独立すべきではないと思っているわ。

うちも現在は採用活動にはえらく力を入れているからなんとかなっているけど、昔と比べると反応は薄いなぁと感じることも多いよ。スタイリストよりもアシスタントが取れないねぇ、今は。

そうおっしゃる経営者の方が最近増えています。大切なことは、独立するしないに限らず、今後の経営環境の厳しさを学ぶ機会をスタッフも持つことですね。そのうえで、独立という選択をするのであれば、サロン経営の勉強をきちんとして計画性を持って取り組むべきです。

コーチ、よくわかりました。つまり、独立したからってお金持ちにはなれないってことっすね。僕は、Bonheur(ボヌール)という現実の世界の中で生きていくことにします。

直斗くーん!! 僕を見捨てないでくれて、ありがとう!

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